中堅看護職向けコラム
人生はモヤモヤで出来ている
「人生はモヤモヤで出来ている」。これが私の見解です。特に社会人で中堅ポジションになればなおさら。私の人生もモヤモヤの連続でした。
NHKのアナウンサーとして2005~2018年まで働きました。業務内容は、スポーツ実況、ニュース、ステージ司会、生中継、番組の企画・制作、ディレクター 業務など多岐にわたります。
新人時代は、学生と社会人の違いにモヤモヤ。体育会系ではない私は、先輩や上司との付き合い方がヘタクソでした。「なんで新人が飲み会の幹事をやるって決まっているんだ…」「なんで後輩が先輩のお酌をしなけりゃならないんだ…」など、縦社会の慣習になじめず。中でも特に縦関係の意識が強かったスポーツ実況グループに所属していたので、自分を偽りながらなんとなく適当に先輩に合わせている自分にもモヤモヤする日々…。
そして6~8年目くらいの中堅時代。近い世代の先輩たちが、自分たちの代よりも恵まれた良い異動をしていてモヤモヤ。一つ下の後輩が大きな舞台で活躍している姿を見てモヤモヤ。一方の私は、先輩たちと同じような異動のステップを踏めると思っていたら人事の方針が変わって予期せぬ場所へ異動。まだ子どもが小さかった中で単身赴任に。慣れない場所での仕事、あまり得意ではないタイプの上司・先輩との仕事、後輩の指導などで、それはそれはモヤモヤが膨らむ時期でした。
そんな中、ニュース番組の本番直前に右のこめかみ辺りにズキッとした鋭い痛みが。一瞬で顔の血の気がサーっと引いていくのが分かりました。どんどんとズキズキする感覚が短くなり、眼の焦点が合わなくなって急遽、番組担当を交代。脳動脈瘤の破裂による脳幹出血でした。そのまま入院・手術をして、結局1年ほど休職する事に。医師からは「元々あった脳動脈瘤が強いストレスによって破裂した可能性もある」と言われ深く納得。人生最大のモヤモヤの極致でしたから、そりゃ当然です。運が良い事に、その後、眼も回復し、手足に麻痺が残る事もありませんでしたが、九死に一生を得た出来事でした。
これを機に、私はこれまで以上に無理をすることをやめました。仕事上のモヤモヤする出来事に対して、自分の気持ちに正直に接しようと考えるようになったのです。納得できない事に対しては、相手が誰であろうがハッキリと自分の意思を示しました。まわりの人たちにとっては本当に面倒くさい存在だったと思います(笑)。でも、これが私なりのモヤモヤとの付き合い方でした。モヤモヤする出来事に対して自分を偽っていると、絶対にどこかで無理が生じます。その結果、メンタルや身体に支障をきたしては元も子もありません。自分を救えるのは自分だけです。
中堅ポジションで今まさにモヤモヤ期を迎えている皆さん、ぜひ自分に正直になって下さい。お互いが正直になってぶつかることを恐れず、良い意味で開き直りましょう。どうせ人生はモヤモヤで出来ていますから。

目標を見つけるために必要なモヤモヤ期
